「熊はぬいぐるみじゃない」野生のヒグマをSNSにアップは危険、注意呼びかけ

夏休みシーズンを迎え、北海道の道路などで出会った野生の熊をネット上にアップする人たちがいる。中には熊にギリギリまで近づいたり、「くまのプーさん」などという言葉とともに写真をアップしたりしている人も。ただ、こうした行為は極めて危険だ。知床財団でも再三にわたり、注意を呼びかけている

 

 同財団によると、この時期には多くのヒグマが出没する。北海道では、札幌市南区の住宅街でもヒグマが目撃されたばかり。一方、知床地域での直近1週間の目撃件数は40件にのぼる。

 

同財団によると、こうしたクマを「インスタ映え」のため、撮影しようとする観光客があとを絶たないという。しかし、これはとても危険な行為だ。

 

小さく見える若い熊でも、その体重は30〜60kg。さらに時速60kgで走ることが出来る。同財団は「野生のヒグマはぬいぐるみではありません」「攻撃能力を甘く考えてはいけない」と、注意を呼びかけている。

 

また、撮影者が襲われる危険性が高いだけではなく、「クマの人慣れ」によってその生態が変わってしまう恐れがある。「人を守ることがヒグマを守ることにつながる」という。

 

クマを見かけた場合には「近づかない」「車から降りない」「餌をやらない」の3点に気をつけないといけない。

 

ヒグマは素早く動くものに反応する。走って逃げたり、大声でわめいたりする行為は、クマをさらに驚かせることになる。

 

また、子グマの場合は、母熊が子供を守るために突進してくることもあるので、さらなる注意が必要だ。

 

道路上で見かけた場合は、車を止め、クマが離れるまで車内で待つことが大切だという。

 

同財団の担当者は、BuzzFeed Newsの取材に「不用意に近づいてはいけません」と語る。

 

「ヒグマは、人が普段している犬や猫、家畜とかとは一線を画す、野生の生き物です。大人しそうに見えたり、小さそうに見えたりする熊でも、非常に強い力を持っている存在です」

 

「ですから、不用意に近づいてはいけません。また、仮に人が餌をやったり、ゴミを捨てたり、人の行動によってヒグマの性質が変わってしまうことも確認されている。野生のヒグマに影響をしないように行動してもらいたい」

 

実際に熊に出会った場合の対処法は、同財団のホームページにも掲載されている。